2017年 2月 の投稿一覧

北鎌倉 散歩

東慶寺の紅白梅)

都会での生活は便利な反面、自然とは対極にある人工的な空間で過ごす時間が多く、気が枯れてくる(気枯れ・穢れ)感覚に陥るときがあります。人間も自然の一部ですから、自然とのバランスを適度にとることが心身のエネルギー維持にはとても大切です。

さて、自然の気をさっとチャージして体内に強い気を取り戻したい時は比較的アクセスのいい北鎌倉の地によく足を運びます。東京から電車で向かうと、大船駅と北鎌倉駅の中間を越えたあたりからまず気が変わります。写真の東慶寺は北鎌倉駅から徒歩1分ほどの地にある尼寺で、境内の後醍醐天皇皇女の墓所の辺りからさらに気が変わります。朝の静謐な空気を吸い、美しい花々を愛でているうちに体内にいい気が流れ込んでくるのを感じます。

(相模湾と建長寺を眼下に)

東慶寺をあとにして自然散策に。
普段はアスファルトが邪魔をして地のエネルギーを得ることはなかなかむつかしいのですが、自然の土の上を歩くと直接地のエネルギーをいただきやすく、鎌倉の地はそういう点においてもおすすめです。

時々歩く天園ハイキングコースは全長約4kmのゆるやかな散歩コースです。通称あじさい寺ともいう明月院の脇から、もしくは、建長寺境内からハイキングコースにつながっています。

(富士見台から望む冠雪の霊峰富士)

「山は癒やし、海は浄化」とも言われますが、この地は山と海の両方のエネルギーを身近に感じることができることも魅力のひとつです。歩いた後、海のエネルギーを取り入れたければ、材木座や由比ヶ浜、余裕あれば長谷の方まで足を運び、裸足になって砂浜を歩くのも自然からの良質なエネルギーをいただけます。

冒頭にも述べた「人間も自然の一部ですから、自然とのバランスを適度にとること」とは、「中庸である」ということです。ストレスや気の状態は目に見えないものだけに、いまどういう状態であるかということに自ら気づける習慣を取り入れることが長期的にコンディションを良好に維持するための解決策ではないか、と思っています。

くどいようですが、人間も自然の一部です。時には心身を自然の中に放牧させてあげましょう。

後生掛温泉

(今年は雪が少ないという鹿角花輪にて)

岩手県と秋田県県境の八幡平山頂から少し西側に位置し、十和田八幡平国立公園の中にある後生掛温泉で気と心をゆるめてきました。

東京からだと池袋から深夜バスで鹿角花輪駅まで8時間、そこから地元のバスで1時間、もしくは、盛岡か田沢湖まで新幹線、そこからバスで2時間といったアクセスです。夏場であればレンタカーもあるのでもう少しアクセスの自由度が出てきます。

さて、後生掛温泉は「湯治部」と「旅館部」に分かれており、今回は湯治部に宿泊しました。宿舎の床下に蒸気を通して暖めるオンドル構造になっていて、部屋の中はその地熱だけで真冬でも浴衣1枚裸足で過ごせます。畳の部屋だったのですが、畳に素足だと足の裏が熱すぎ、布団を敷いてその熱さを和らげるといった塩梅です。寝る時は掛け布団も入りませんし、自室で寝ているだけでも湯治効果があるといわれているのにすこぶる納得です。

冬は気温に比例して体温も下がりがちになり、寒さから身を守ろうとして力み、体が硬くなります。冷えにより血流のスピードも遅くなり代謝が落ちてきます。寒さによって肩があがってくることで特に上半身がいつも以上に強張りますし、つながっている心も重くなりがちです。普段よりも交感神経優位の状態が深くて長くなり、「ゆるむ」と同義の副交感神経とのバランスがとれずに気のめぐりが悪くなることで、病になるのです。「冬だから風邪をひく」というのは基本的にはこういうメカニズムです。

対策としてはとにかく体を冷やさないこと。具体的にはいのちある温かい食べものと飲みものをいただく、お風呂(自宅・銭湯・温泉施設等)に長めに浸かる、ヨガやストレッチを入念にする、体を動かす、でしょうか。「体を暖める」という行為は気と心をゆるめるという結果に直結します。冬に限らず、体を冷やさない、体温をあげる、というのは万病を追い払う根本的な解決策です。

すでに病にかかっている方や体のことで悩みがある方には今生で一度は足を運んで欲しいですし、ぜひお連れしたい場所です。末期ガンの方が治って帰っていったとか、当初杖で来た方が帰るときには杖を置いていったいう話を職員の方が嬉しそうに話していたのが印象的でした。不覚にも自分に何かあった場合には最短でも3ヶ月は後生掛に逗留したいと思っています。笑

ということで、今夏の予約をとって帰京しました。

心臓外科医からみた健康

直近2回のブログで代謝について書きましたが、代謝がいいというのは血液のめぐりがいいということとほぼイコールです。普段なかなかみる機会がない血液と血管の観点からの健康を心臓外科医という視野から学ばせていただきました。

「身体の中も外も、老化を左右するのは年齢ではなく循環器系」という著者のメッセージが根幹にあります。年齢は30代でも普段の食事や生活習慣により血管年齢は60代といえる人が手術を担当していて着実に増えている、という事実に危機感を持ち、生業からの使命感で日本人に警鐘を鳴らしています。

自分の血液データを把握しているという前提で、
◯血管の破れや詰まりを解消して若く強くするには
◯高血圧の方の運動法
◯LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす食事
◯中性脂肪を減らすには
等々、今日からでも実践できる内容がてんこ盛りです。

そもそも血中の85%は水でできており、命(みこと)のない食事は血中の水に泥を突っ込むようなものです。その日々の蓄積が血液の流れを阻害し、血管のつまりの原因となり、臓器の病を誘発します。血液は21日、皮膚は30〜50日、筋肉は200日、もっとも時間のかかる骨でも2年〜3年で生まれ変わるので、食事を変えることでちゃんと体も生まれ変わるということですね。

この本を通して繰り返し出てくるのは
「健康になるとは生活習慣を変えること。生活習慣とは嗜好であり、嗜好を変えるには思考を変える必要があり、思考を変えるには普段の食べものを変えることだ。」ということばです。

まずは自分を知る、血液のデータを知る、ところからでしょうか。
自身の健康は自ら管理し、いただいたいのちを大切に守っていきましょう。

運を動かす

前回の代謝と掃除の関係に続き、今回も代謝の決め手となる運動について記します。

運動は「運を動かす」と書きます。

運動の定義としては、「体を動かして身体のエネルギーの流れをよりよくすること」になるでしょう。運動の種類としては、ウォーキング(山歩き含む)、ランニング、バイク、球技、武道、自重やマシンによる筋トレ、ヨガ、ストレッチ等、いろいろあります。試してみてこれなら習慣としていけそうだな、という相性のいいものを選ぶのがいいでしょう。

僕の場合はランニングは体にあまり馴染んでこないので専らウォーキングが中心です。あとは家でもできる自重系のトレーニングとヨガの一部のアーサナ(ポーズ)とストレッチを習慣に組み込んでいます。朝は自宅でヨガと自重系のトレーニング、お昼に時間あれば思考も兼ねてウォーキング、夜にストレッチ、というのが1日の流れです。

少し昔の話をしますが、農耕民族の日本人の大半が足腰をしっかり使う農業から長時間座ることの多いPC中心のデスクワークへとシフトしました。身の回りの生活においてもトイレは足腰に負担のかからない楽な形状に変わり、エレベータやエスカレータが常設となり、都心の交通機関は便利すぎるほど便利になったことで下半身を使う機会が劇的に減ったといえるでしょう。特に人間は歳を重ねてくるのに応じて足・腰・臀部の筋力から弱まり、歩く速度が落ちていき、最後には出歩けなくなっていきます。

したがって、足を使って下半身のエネルギーを循環させることを日々の習慣にしておくことは人生の後半部分で旅を楽しんだり、人生そのものを楽しむためにも大きな意味を持ってくるでしょう。

まず「歩く」、「1日20分以上続けて歩く」ということが体の土台をつくる礎となります。
なぜ20分かというとシャワーを出す時に水からお湯に切り替わるのに少し時間がかかるように、体もエネルギーが流れてくるまでに時間を要するのですが、その時間が20分と言われています。

都会を歩くのもエネルギーが循環する一助になりますが、お休みの日は山や並木道を自然散策がてら歩くことで日々のデスクワークでエネルギーの滞りがちな心身を癒やしてあげましょう。