健脚

(出羽三山 月山での山伏修業の様子)

ここ10年ほど日本を旅してきて、旅先のローカル電車やお山の中でおそらく戦争を経験しているであろう老夫婦や翁に「いいか兄ちゃん、足だけは鍛えておきなよ」と言われたことを時折思い出します。

人間の体の筋力のうち、下肢が70%を占めています。

筋力の種類は、短距離走でつかう「速筋」とマラソンやウォーキングでつかう「遅筋」の大きく2つに分かれます。速筋はトレーニングで増やすことができますが、遅筋は普段歩くことで育てていくことができます。健康面でアドバイスをいただいている方に「1日20分続けて歩くことを意識してみてください」と言われたことがありますが、なるべく日常にその習慣をとりこめるよう、「歩く」という行為とその時間をとても大切にしています。

2年前の夏に写真の月山、湯殿山、羽黒山にて朝4時から夜8時まで約16時間山歩きをする、という修業に参加しての収穫としては、足のつかれは多少感じるのですが、自然のエネルギーを浴びて体はどんどん軽くなっていくという感覚を味えたこととこれくらいの時間であれば人は歩き続けられるのだな、という気づきを得られたことです。

遅筋が一定以下になると歩く速度が遅くなっていき、杖が必要になり、最終的には自身で移動ができなくなっていきます。まだまだ遠い先の話だとは思いますが、自分の足で移動できなくなり、出かける意欲が衰えてくるというのは人生を楽しむ上であまりにももったい、と考えています。

 

 

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