2017年 7月 の投稿一覧

日野原重明さん


(ジュンク堂池袋本店)

先日105歳でこの世を去られた明治生まれの日野原さん。同郷ということもあり、身近に感じて講演会を聞きにいったり、時折著書を拝読していました。特に高齢者の方は彼の生き方に元気をいただいていた方も多いかと思います。

彼の著作は5冊ほどしか読んではいないのですが、「生活習慣病」ということばの生みの親だけあって、心身の健康を維持するための一貫したメッセージとしては

「習慣が人をつくる、心もからだも」
「習慣の第一は食事から」

加えて、

「30
歳の時の体重と腹囲を維持しなさい」
と105歳まで言行一致を貫かれていました。

医師としての貢献や実績はここで述べるまでもないですが、以下は夢をたくさん叶えてこられたご本人、たくさんの方の死を看取ってきたご本人が100歳を過ぎてからのことばとなります。

「人間はみな未完成で死んでいき、完成などありえません。完成できると考えるのは人間の傲慢です。」

姿勢と呼吸のつながり

人はこの世に出てくるときはオギャーと息を吐いて 生まれ、この世を離れるときは息を吸って(息を引き取って)旅立ちます。そしてまた来世に出てくるときに前世の最期で吸った息を吐き出して生まれてくる、というように息がつながっています。これを「息通し」というそうです。

生きていく上で呼吸の深さや浅さ、という質は仕事時や歩く姿勢と密接につながっていると感じます。

正しい姿勢▶︎深い呼吸▶︎血液の流れがいい▶気のめぐりアップ▶ストレス軽減▶心身の調子がいい
という好循環をつくります。呼吸が深いと目の前のことにより集中できますし、思考の質も高まります。

日常でPCに向き合って仕事をしていると、どうしても図の①のように肩が前に出てきて呼吸が浅くなります。PCと肩の距離を一定に保ってくれる見えない糸があればいいな、と思うのは余談ですが、肩が前に出てきたと思ったら、その場で②の位置に肩を引き上げ、肩甲骨と肩甲骨の距離を縮めることを意識して③の位置に下げ、最後に④の位置に脱力して下げます。

①▶②▶③▶④の動きのくりかえしは姿勢を正し、深い呼吸を取り戻すためにおすすめです。

3年前にメンタルフィットネストレーナーという資格を取得した際に、呼吸によってその人のメンタルの状態やストレスの度合いが大きく変わることがよくわかりましたし、いまのヨガの先生にも呼吸とアーサナ(姿勢)のことをいろいろお尋ねして実践しているところです。

歩く時は、頭のてっぺん(百会)が天からの見えない糸で引っ張られていることを意識するようにしています。心身の調子があまりよくないな、という時はいまの姿勢を見直すことは比較的簡単にできる選択肢の一つだと思います。

ことばから生きる力をいただく

毎月東京都神社庁から発表されている「いのちの言葉
今月は4年前に他界されたアンパンマンの生みの親、やなせたかしさんからのおことばです。

都内の神社には七夕の短冊のサイズで置いてあるということもあり、特に気に入ったものはカバンの中にひそませて時々読み直すことを習慣にしています。

あ い う え お か き く け こ さ し す せ そ た ち つ て と な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ ま み む め も や ゆ よ ら り る れ ろ わ を ん

という日本語のひとつひとつに言霊がのっていますが、正しく使うとプラスの言霊がやどり、自他のエネルギーを上げていきますし、間違って使うとマイナスの言霊がのって自他のエネルギーを下げたり、凶器となって心を傷つけたりすることにもつながります。

個人的にですが、
「言霊の力をもっとも引き出す」という視点でできるかぎり3つ意識していることは
◯音読みより訓読みのことばを選ぶ
◯無理に漢字を使わずひらがなを選ぶ
◯横書きより縦書きを選ぶ
ということです。

心の健康は日日の生活でつかっている言霊によっても大きく影響を受ける、と感じています。発することばは自分の耳が一番近くにあり、音の伝わるスピードを考えても一番先に聞いています。

人生は言霊によってつくられる。
目に見えないものも目に見えるものと同じように大切にしていきたい、とあらためて思った朝でした。