おすすめの本

日野原重明さん


(ジュンク堂池袋本店)

先日105歳でこの世を去られた明治生まれの日野原さん。同郷ということもあり、身近に感じて講演会を聞きにいったり、時折著書を拝読していました。特に高齢者の方は彼の生き方に元気をいただいていた方も多いかと思います。

彼の著作は5冊ほどしか読んではいないのですが、「生活習慣病」ということばの生みの親だけあって、心身の健康を維持するための一貫したメッセージとしては

「習慣が人をつくる、心もからだも」
「習慣の第一は食事から」

加えて、

「30
歳の時の体重と腹囲を維持しなさい」
と105歳まで言行一致を貫かれていました。

医師としての貢献や実績はここで述べるまでもないですが、以下は夢をたくさん叶えてこられたご本人、たくさんの方の死を看取ってきたご本人が100歳を過ぎてからのことばとなります。

「人間はみな未完成で死んでいき、完成などありえません。完成できると考えるのは人間の傲慢です。」

エンザイム

米国ナンバーワンの胃腸内視鏡外科医、ドクター新谷の「病気にならない生き方」。2005年初版時に読み、今回再読しましたが、いまでは150万部を突破しているようです。

普段から人間の胃や腸の様子を内視鏡で診ているだけあって書いていることにどれも説得力があるのですが、さらに説得力があるなと思ったのは、本人が医師になってからの45年間、一度も体調を崩して仕事を休んだことがない、という事実とそれを日日紡いできた生活習慣です。

健康はエンザイム(酵素)の量で決まる、ということがもっとも伝えたいことで、胃相・腸相がよい(美しいピンク色をしている)人たちに共通しているのはエンザイムをたくさん含むいのちある新鮮な食べものを摂取している、ということです。

反対に、胃相・腸相が悪い人たちに共通するのは、食品添加物を含んだ食事、大食い・早食い、ストレスの多い生活環境、薬の常用等、体内のエンザイムを消耗する生活習慣をもっている、ということです。

いくつか著者の語録を掲載します。
◯牛乳ほど消化の悪い食べ物はない
◯市販の牛乳は錆びた油
◯日本のヨーグルト神話は結構だが、常食していると腸相が悪くなる
◯日本人の体に油ものは適さない
◯薬の摂取は体内のエンザイムを破壊する

「よい食事」と「よい生活習慣」。それは食事、水の補給、嗜好品の有無、運動、睡眠、仕事、ストレスで構成されますが、新谷式を4ヶ月実践すれば体は劇的に変化する、と断言されています。

個人的に終始共感できたのは、生涯現役で働き、太く長く生き、楽しく天寿をまっとうしよう、というメッセージが行間からも読みとれるところでしょうか。

本日も気が湧き出るほど健康であることに感謝です。

知識と努力

東大卒、物理学者として世に300冊ほどの著作を世に出され、生涯現役であった三石巌さんの本をご紹介します。

二人に一人がガンになる時代といわれていますが、ガンを予防するためには「活性酸素を大量発生させない」というのが根幹をなすメッセージです。諸悪の根源はストレスと栄養不足にある、と。

活性酸素の説明はネットにお任せしますが、大量発生すると「体がさびてくる」ということです。体がさびてくると臓器や血管の機能が衰え、体そのものが弱ってきます。さびを加速させるのは日日のストレスと栄養不足である、ということですね。

何事もガンことガンばりすぎには要注意です。健康になるために食事制限をしてそれがストレスになったのでは活性酸素の思うツボですし、健康のために運動しなきゃという気持ちやすスポーツのしすぎや走りすぎもそのまま活性酸素の大量発生に直結します。

食事に関しては「良質なタンパク、ビタミン、スカベンジャー」の3つの栄養素の積極的な摂取をすすめています。これらはいのちある食べものにしか含まれていませんし、ビタミンは良い頭を手に入れるにもいいとのこと。肉、魚、卵、緑黄色野菜、海藻、柑橘類等をすすめていますが、無農薬野菜は百害あって一利なし、という意見の持ち主です。

人間の体には個人差があり、同じことをしてもまったく同じ効き目があるわけではありませんが、正しい知識と正しい努力(がんばりすぎは注意)をすることで生涯病院に行く必要のない心身をつくることはできると思います。

この本を読んであらためて「中庸であること」の大切さを認識させていただきました。

生前のご本人曰く「100年経っても腐らない情報を提供したい」と言われており、長寿にして、知的活動を目指すすべての人々必読の書と言えるかと思います。

自然と不自然

内科医であり、精神医療活動にも注力し、断薬を主軸としたクリニックをされている内海聡さんの著書を2冊ほどご紹介。医者でありながら現代医学の悪の部分を暴露し、予防医学の必要性を説くたくさんの著作を世に出されています。

基本的に読者に伝えたいことは、この2冊以外でも「健康は人生の目的ではなく、あくまで手段

」ということと、
① 悪いものを避ける
② いいものを入れる
③ ちゃんと出す(便も汗も)
という3原則です。

①に関して、日本人は1日80種類の食品添加物を食べているそうです。いまの日本で添加物摂取をゼロにすることは食品業界の規制がゆるく至難の業ですが、自分を少しでもいたわる気持ちがあるなら、成分表示記載の「砂糖、スクラロース、ソルビン酸、ショートニング、マーガリン」の最低5つは鉄壁の守備で避けた方がいいでしょう。「自然界にないものはなるべく口にしない」ということですね。

今日からでもすぐに行動できることとしては
◯食品の成分表示をみて確認する
◯賞味期限で日持ち(2日以上)するものを避ける(いのちあるものの寿命はたいてい1日)
◯調味料を質のいいものに変える(特にお醤油とお塩)
◯袋に入ったパンは食べない
◯牛乳を飲まない(日本人の体に合っていない、モンゴル人やウズベキスタン人は別)
◯米国産の牛肉を買わない
◯電子レンジを使わない
あげればきりがないですが、上記は基本中の基本です。

ちなみに①には食べものだけでなく、電磁波、シャンプー、歯磨き粉、ワクチン等も含まれます。
①〜③がある程度できていれば、人間の持つ自然治癒力でそもそも病気にはならない、というのがドクター内海の考えです。

食が及ぼす心への影響は計り知れません。心が健全であってこそ、日日の健全な決断が生まれる、と常々考えています。

塩の選択

日本人が生きていく上での三種の神器ともいえる、お水、お米、お塩。前回はお米でしたので、本日はお塩について書いてみます。

よく目や耳にする「塩分はひかえめに」のフレーズ。国の命を受け、保健・医療の現場でも「減塩」の大合唱。高血圧を回避することを意図していましたが、ここ数年くらいで「日本人には塩が足りない」ということを指摘する人が増えてきた印象を受けます。

そもそも血液の成分の85%は水で、その水が血管内に残るためには必ず塩が必要といわれています。余談ですが、点滴の目的は水と塩を補うことですし、トライアスロンの給水所にはちゃんと塩が置いてあります。100kmマラソンやアイアンマン等の過酷なレースでは体内の水が切れてしまうことよりも体内の塩が切れることで、足を一歩も踏み出せなくなるほどドラスティックに体がとまってしまう、と競技によく出場する友人のパーソナルトレーナーが言っていました。

さて、普段の生活での塩の不足は低体温をまねくことで、代謝が悪くなり、免疫力が落ちることで、風邪を引きやすくなります。水を必要以上に飲むと体内の塩分濃度が薄まり、お酒は飲めば飲むほど塩分を消費し、フルーツや甘いものも体の塩分との相殺が体内で起こります。警鐘をならしたいわけではなく、必要な塩は日々しっかり摂ることが体の健康と心の健康のためにも大切だということです。

塩なら何でもいいか、というと日本のものも海外のものも製法が異なるものも色々と試してきて、そうではないと体が感じています。海水から直接に生産する本物の自然塩、自然海塩とも日本の伝統海塩とも言えるものが心身に効くと思います。

メンターから紹介していただいた写真の「南大東島」のものもおすすめですし、京の老舗料亭の瓢亭や菊乃井さんも使っている伊豆大島の海水でつくられた「海の精」もおすすめです。

非常時には水とこの塩だけ持ち出せば3週間くらいはなんとか凌げそうですし、塩の有する殺菌作用・洗浄作用で体も顔も頭も洗えるし、歯も磨けるなということをしばしば考えて一部実践しています。笑